本当にいい歯医者の基準って知っていますか?
この記事では、見極めるべきポイントを10個教えます。
日本歯科医療評価機構の評価基準だけでなく
実際に働く歯科衛生士の声を元に作成しました。
なのでこの記事は、かなり、リアルだと思います。
全国の○○○○より多い歯科医院数
厚生労働省より医療施設調査の最新版が
2022年9月30日に公表されました。
全国の歯科医院数は、67,899件でした。
駅前とかにたくさん見かける歯医者さん。
しかし、全国のコンビニ数が58,113店舗なので(2022年3月時点)
コンビ二より多いのが事実です。
どこがよいのか探したり比較するために
口コミを見たりして、いくらよい評価だとしても
一生使う自分の歯を任せるのは不安ですよね。
一生使う歯を任せる歯医者さん、
歯医者さん選びって実は大事なんじゃ…と私は思います。
ぜひ参考になればうれしいです。
見極めるポイント10選
1.適切な患者数
一人の歯科医師が1日に診る患者の数は、
良い歯医者の選び方で最も重要な指標です。
というのも、多くの患者を診ることになれば、
一人あたりの患者さんにかけられる時間が少なくなります。
かけられる時間が少なくなるとその分、色々なところに歪みが生じます。
例えば…
・十分に麻酔が効いていない状態で治療をスタートで痛い思いする
・どんな処置をするのか、などの説明に時間がかけられなくなる
1日に診る患者数は、そ歯科医院の診療時間にもよりますが、
ここでは、1日8時間診療としましょう。
30分に1人、1日に換算すれば16人程度が目安となります。
しっかりと診療しようとすれば、1人30分以上は必要です。
1人の患者にかける時間は、
長ければ長いほど良い歯医者である可能性が高くなります。
1人に60分かける歯科医院もあります。
その歯科医院で何人の資格保有者がいて
実際に治療してくれるのはその資格保有者なのか?は
大事なポイントとなりそうです。
「患者さんが常に多いから安心な歯医者」と
ひと言で片づけられないのが真実なようです。
\歯科衛生士から聞いた!ココがヤバい/
※歯科助手から教えてもらった実話
院長が本来やる仕事だけど忙しいため
歯科助手の友達がギリギリまでやって
最低限の部分は院長がやるってパターンもあるらしい。
もっとひどいと歯を削る作業など
資格が無い人がやっている歯科医院もあるんだとか。
私達から見たら同じような白衣来ていたら
資格の保有者か否ははあまりわからないので
事前にチェックしてから来院が良いとのこと!
2. 麻酔の時間・種類
麻酔がしっかりと効いた状態で治療を行うことは、すべての患者さんの願いだと思います。
痛い思いをして治療を挫折したり、
トラウマ・歯科恐怖症になってしまった方もたくさんいらっしゃいます。
「1.適切な患者数」の項目でもお伝えしましたが、
患者さん一人一人に十分な時間を割ければ、
その分麻酔にも時間をかけることができます。
表面麻酔をして浸潤麻酔の注射針の痛みも軽減し、
ゆっくりと麻酔し、
その後もしっかりと麻酔が効くまで待ってから治療を開始することで、
患者さんの治療中の痛みは最小限で済みます。
3.滅菌・消毒など衛生管理
新型コロナウィルスの蔓延によって、
滅菌・衛生管理が大きく注目されるようになりました。
ここでは、良い歯医者の選び方で欠かせない
滅菌・衛生管理についてお話したいと思います。
マスクや手袋着用している歯科医院は多いですが
道具がきちんと滅菌・消毒されているかも大事。
使い捨てで、紙に包まれた状態で新しく開封する道具もありますが
繰り返し使用する器具は
水洗いだけでなく、超音波除去などしている歯科医院がほとんどです。
細菌の歯科医院では、
「クラスBのオートクレーブを導入」などとアピールするところが多くあります。
どんな設備を導入しているかはもちろんですが、
それよりも大切なのは、
・どのように利用しているのか
・どの水準で衛生管理を行っているのか
という運用面です。
4.ラバーダム・タービン
ラバーダム
専門的な言葉に聞こえる「ラバーダム」
根管治療(歯の根っこの治療)は、無菌状態で行うことが重要です。
そこで使うのがラバーダムというゴムのシートです。
口腔内には、常在菌といって様々な細菌がいます。
ラバーダムは、治療する歯を隔離して、これらの細菌が歯へ入らないよういするために必要です。
また、根っこの洗浄に次亜塩素酸という薬液を使いますが、
この次亜塩素酸がお口の粘膜に触れるとただれて強い痛みがあるので、
ラバーダムによって粘膜を保護する必要があります。
このラバーダムですが、熟練した歯科医師でないと、
装着するだけでも時間がかかります。
また、根管治療に割り当てられた保険点数は極めて少額のため、
歯科医院経営としては、そんなに長い時間をかけられませんし、
ラバーダムを仕入れるコストも気になるところです。
その結果、ラバーダムが必要であるにも関わらず、
使用していないという歯科医院はたくさんあります。
タービン
次に、タービン(歯をけずるための器具)です。
以前、
患者ごとに滅菌をせずにタービンを使い回す歯科医院が全体の7割に上る、
という新聞記事で報道され、
タービンの滅菌を行う歯科医院が増えて来ましたが、
「高額なタービンが壊れる」という理由で
滅菌しない歯科医院はまだまだたくさんあります。
\歯科衛生士から聞いた!ココがヤバい/
※歯科衛生士から教えてもらった実話
滅菌できないものをどのようにしているか、という観点です。
プラスチック製品などはガス滅菌器を除き、
滅菌器による滅菌を行うことができないため、
「高度な消毒」を行うか、「使い捨て」にします。
「高度な消毒」というのは、たんぱく質を分離する薬液につけ、
超音波洗浄機で洗浄し、
また消毒薬液に30分以上浸すという煩雑な手順が必要になりますが、
これらの手順を省いて、
手洗いして終わりという歯科医院もなかにはあるようです。
5.資料採取・保管
歯の表面だけでなく、歯根などがどのように生えているか
レントゲンを撮ったりなど
事前に丁寧に資料を残して治療をしてくれるかは重要なポイントです。
カルテデータとして記録してくれる歯科医院がほとんどなはずですが
患者目線で見ても
もちろん治療前に徹底して丁寧にやってくれる歯科医院がよいですよね。
6.予防に力を入れている
極端な例で言うと
「すぐに歯を抜きましょう!インプラントにしましょう!」
ではなくて、
歯磨きの仕方(歯ブラシの使いから)指導だったり
ホームケア商品に力を入れている歯科医院も多いです。
①歯科医院がどれだけ「予防」に注力しているか
②患者がどのくらい「予防」を望むのか
①②ともに合致する歯医者さん選びが望ましいです。
7.掲げているポリシーが自分と合うかどうか
前述の「6.予防に力を入れている」にも近いですが
①歯科医院、②患者 のマッチ度が高いほど
患者にとって「良い歯医者」になります。
わかりやすく例をだすと
★ケース①★
初期虫歯がありました、しかも奥歯の磨きにくい部分に…
A.すぐに抜いてしまう(今後の悪化を防ぐためにも、歯も磨きにくいし)
B.経過観察をする(なるべく本人の歯を残すようにしたい)
どちらも間違いではないのです。
★ケース②★
ホームクリーニングの商品使用を提唱された場合
A.最先端で高額な商品
B.Aよりレベルは落ちるけれど安価で継続しやすい商品
これも、患者の予算などにもよりますし
そもそもホームケア商品を求めていない患者もいるので
自分がどんな治療やサービスを求めているのか
はっきり決めておくのが
自分にとってもよい歯医者選びの1つのポイントになると思います。
8.専門医との連携
すべての治療を、高いレベルで一人の歯科医師が行うことはできません。
そのため、良い歯医者の選び方として、
専門医と連携しているかどうかが大切になってきます。
※専門医とは
歯周病専門医、インプラント専門医、矯正専門医、
口腔外科専門医、小児歯科専門医など多岐に渡ります。
歯科医院経営においては、
他の先生に治療の一部をお願いするより
全て自分の歯科医院で完結した方が、
より高い売上を獲得することができます。
そのため、日本では専門医との連携が進んでいないようです。
また、患者さんとしても
できれば一人の歯医者さんに全てお願いできた方が安心する、
という方が多いので、
そのニーズに対応するためにたくさん勉強して
「スーパーGP(一般歯科医)」を目指す歯科医師が多い
という側面もあります。
9.担当医がいるか
いつも同じ先生・衛生士が診てくれるかどうか。
毎回、診てくれる歯科医師、歯科衛生士が違う、
ということが多々あります。
医院の運営上、効率よく多くの患者さんを診てさばいていくには、
担当制にしない歯科医院が多いようです。
ずっと同じ患者さんと信頼関係を築いていくのか、
行き当たりばったりで診療していくのかで、
スタッフのモチベーションも大きく変わって来ます。
\歯科衛生士から聞いた!ココがヤバい/
※歯科衛生士から教えてもらった実話
毎回違う歯科医師、歯科衛生士となると情報共有が不十分なため、
医療ミスにもつながりやすいです。
他の医院で
「抜くべき歯を間違えて反対側の歯を抜いてしまった」
「削らなくてよい歯を削るアシストをした」
みたいな事例を聞いたこともあるんだとか…
担当制の方が
患者さんにとっても安心して治療やメインテナンスを
受けられないのではないでしょうか?
10.院内の雰囲気・スタッフの定着率
歯科医師とスタッフとの連携がうまくできていてることは
治療をしていく上でとても重要な事です。
ひとつ前の「9.担当医がいるか」でも
情報共有が不十分なため、と書いたように
チーム連携が取れていないと治療ミスも増加します。
中々、患者側にはわかりづらい部分ですが、
院内の雰囲気が明るい歯科医院なら安心できるといえるでしょう。
歯科医師、スタッフがやさしく接してくれることも
この項目での判断基準ともいえるでしょう。
\歯科衛生士から聞いた!ココがヤバい/
※歯科衛生士から教えてもらった実話
スタッフは、医院の裏事情を全て知っています。
歯科医院は、院長を中心に
歯科医師・歯科衛生士・歯科助手・受付などが協力して経営を行なっています。
それらスタッフひとりひとりにとって、
職場の環境が良くなければ、より良い環境を求めて転職してしまいます。
つまり、スタッフの入れ替わりが多い歯科医院には
内部的な問題があると言えます。
例えば、滅菌・衛生管理が不十分だったり、
保険点数を水増しして請求していたり、
院長がお金のことしか考えてない、
人柄に問題があったり、様々な現実を目の当たりにしています。
患者さんには隠せても、スタッフには隠せないのです。
\逆によい歯医者さんって?/
一方、院長が医療人として立派で、人柄がよく、
スタッフを大切にしている歯科医院では、
スタッフはそう簡単に辞めません。
そういう歯科医院では、スタッフ自身はもちろんのこと、
その家族・友人に至るまで、みんなその歯科医院にかかっています。
逆に、スタッフが「自分の歯科医院で治療を受けたくない」
と考えているような歯科医院には、
かからない方が良いのは一目瞭然ですよね。
【補足①】なおこ先生(SNSで毎日情報発信)
よい歯医者さんとは?という動画も出しているのでご参考までに!
【補足②】日本歯科医療評価機構
”本当に信頼できる歯科医院と患者さんをつなぐ。”
このポリシーの元
患者さんが本当に信頼できる歯科医院を評価・認定する組織が
日本歯科医療評価機構です。
▼歯医者さんの口コミを見てみる
「01 当機構の趣旨に共感してくれた歯科医院に対し、アンケート用紙を納入します。」
※全国すべてのの歯科医院が登録されているのではない×
「02 医院の受付で患者さんにアンケート用紙を配布、自宅で記載」
※実際に足を運んで来院した人が記載している〇
\口コミサイトの罠/
歯医者に限らず、飲食店や美容院なども口コミが多いますが
あれ、おそろしいことに
実はお金を払えば全部星5つなど(★★★★★)
できてしまうのが事実です。
なので信用できないサイトなどを
過剰に信用したり気にしすぎるのも
よくないのかもしれません。
あくまでも情報収集は自己判断で行いましょう。
まとめ
【よい歯医者選びのポイント10選】
1.適切な患者数
2.麻酔の時間・種類
3.滅菌・消毒など衛生管理
4.ラバーダム・タービン
5.資料採取・保管
6.予防に力を入れている
7.掲げているポリシーが自分と合うかどうか
8.専門医との連携
9.担当医がいるか
10.院内の雰囲気・スタッフの定着率
補足①なおこ先生@歯医者(SNS)
補足②日本歯科医療評価機構(口コミ検索可)
いかがだったでしょうか?
実はコンビニの数より多い歯科医院。
選ぶのに迷ったり「歯医者難民」になるのはもはや当然。
本当に良い歯医者さんとそれを求めている患者さんとが結びつき
この記事が
”あなたにとっての良い歯医者さん”選びの参考になれば幸いです。
一生ものの自分の「歯」大事にしていきましょう。